2026/2/18

戸島ペアの繁殖記録を地域の自然・調査研究発表会で発表しました

2月18日(水)
2月15日にコウノトリ文化館で開催された「地域の自然・調査研究発表会」(主催:兵庫県生物学会但馬支部・NPO法人コウノトリ市民研究所)にて、戸島湿地のペアの繁殖行動について発表を行いました。

戸島巣塔ではこれまでに2組のペアが繁殖しています。
・旧ペア: J0391♂と J0294♀
・新ペア: J0391♂と J0102♀

今回はこの2組のデータを比較し、「①造巣(巣材運び)」「②交尾行動」「③ヒナへの給餌」の3項目について分析した結果を紹介しました。

データを見ていくと、ペアが変わることでいくつかの興味深い変化が見られました。
造巣(巣材運び):
これまでは「オスが主導するもの」という印象が強かったのですが、新ペアになってからは、メスがオスを上回る回数の巣材運びを行っていました。

交尾行動:
新ペアでは回数が大幅に減少しており、ペアによってこれほど差が出るのかと驚かされました。オスの高齢化が関係しているのでしょうか。
ただ、2026年に入ってからは、体感として前年を上回るペースで交尾行動を確認しており、今年の動向も目が離せません。

給餌:
両ペアに大きな違いは見られませんでした。
ヒナを育てるために必要な餌量がおおよそ安定しているのではないかと考えています。

会場からいただいたご意見
質疑応答では、参加者の皆様から「他個体(侵入個体)による影響」についてご指摘や提言をいただきました。
「個体数増加に伴い、侵入個体への防衛行動が繁殖行動に影響を与えているのではないか」
「朝来市久田和の事例では、侵入個体が多い午前中は巣に留まり、午後に採餌に出る傾向がある」
「研究データ上でも、侵入個体の存在と在巣時間には相関が見られる」
といった具体的な知見を共有していただきました。

現在は日の出からの定点観測を行っていますが、侵入個体の動きを正確に数値化し、繁殖行動との相関を出すことは非常に難しい作業です。
目視記録との突き合わせなど、効率的なデータ分析の方法について「ぜひ知識をご提供いただきたい」とお伝えし、発表を締めくくりました。
新しい視点をいただいた発表会となりました。
なお、例年の繁殖記録については「ホームページのライブラリ」https://www.hachigorou.com/libraryに掲載しています。